家族のために本を読む

二児の母の、家族のための読書の記録。

ちょっと切ないラプンツェル

ラプンツェル―グリム絵本

ラプンツェル―グリム絵本


読んでよかった度:★★★★☆

どのページも優しいタッチでありながら、冬の寒々しさや月夜の妖しさ、春の暖かさが伝わってくる。

そんなバーナデット・ワッツのかわいらしいイラストも手伝って、他の絵本に比べるとゴテルの描写がソフト。

作品によっては「魔女」と書かれるがこの作品では「魔法使い」で、ラプンツェルを育て遊んでやる表情はまるで孫をあやすおばあさんのよう。


大事に育てていた植物を隣に住む夫婦に盗まれ、その夫婦から引き取り大事に育てたラプンツェルはこっそり若い男と密会。
見方によってはゴテルはけっこうかわいそうな人なのかもしれない。


そう考えると、ラプンツェルを失ったゴテルの悲しみも理解できないこともないし、それだけの愛をもって育てられたラプンツェルが育ての親を思い返す日も多いのではないか。


今まで読んだ作品はゴテルが「魔女」として悪役に徹することで、ハッピーエンドと感じさせていたのかもしれない。



今回は、自分のための読書でした。


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