家族のために本を読む

二児の母の、家族のための読書の記録。

池上彰の「天皇とは何ですか?」読了

今回読んだのは、池上彰氏による
池上彰の「天皇とは何ですか?」』。
平成も残すところ1年を切り、来年の即位に向けて今一度、天皇についておさらい。

池上彰の「天皇とは何ですか?」

池上彰の「天皇とは何ですか?」


こんな人向け

  • 天皇とは何かをなんとなくしかわかってない人


読んでよかった度:★★★★☆

憲法、歴史という視点からみた天皇に始まり、現在の皇室のしくみや皇室の仕事、生前退位についてを池上節でわかりやすくまとめられてる。
池上彰がみる天皇や、元執事による天皇のお人柄にもふれられる。

私の中の天皇

歴史上の天皇は授業でしっかり教わるのに、現在の天皇については「象徴」としか習わない不思議。
子どものころ昭和天皇崩御のニュースを見た覚えはあるし、テレビで今上天皇の姿を何度も見たし、学校で「象徴」と習って、その存在はもちろん知っていた。
けど、けっこう大人になってから、「あれ?今更だけどもしかして日本って王さまいる?」と思った。(厳密には王じゃないけど)
世界から見ると日本って王国なんだなぁ、と。

そんな程度の知識の中、偶然通勤途中に駅構内で天皇皇后両陛下をお見かけしたことがあった。
ものすごい数の警察官が配備され、帰宅ラッシュの時間だというのに、騒ぎになるどころか厳かな空気。
駅の階段を手を取り合って降りるお姿が本当に微笑ましい。
天皇という存在に興味もなかった当時の私ですら神々しく感じた。

象徴とは何か

GHQによりつくられ、学校で習う憲法の中の象徴という言葉。
鳩が平和の象徴といわれるように、天皇は日本の象徴。
象徴という言葉をあまり疑問に思ったこともなかったけど、象徴になった側の苦悩を考えたことはなかったな。
鳩も勝手に平和の象徴といわれて、どうふるまえばいいかわからなよね。

皇位継承問題

ときどき耳にする皇位継承問題は、正直ここまで深刻だと思わなかった…。
昭和天皇の兄弟の子供たちいるでしょ?と思ってたけど、女性ばかりとは!
個人的には女系天皇には反対だけど、女性天皇は歴史上みても問題ないと思う。でも現状愛子様天皇になったところで、解決策になってないんじゃないかな?
だったら旧宮家皇籍復帰が現実的に感じるんだけど、本書によると国民の7割が反対しているそう。
これはなぜなの???
池上氏によると「国民感情的に難しい」とあるけど、旧宮家復活の意味を知ってる日本人は半数もいないんじゃ…。
女性宮家復活は一時しのぎにすぎないなら、もし悠仁様に男の子が生まれなかったら女系天皇旧宮家復活の二択じゃないの?
その場合の旧宮家反対が7割もいるとは思えない。

生前退位」の言葉の意味は?

旧宮家復活否定の理由もそうだけど、「生前退位」という言葉の持つ意味もよくわからなかった。
天皇自身が否定的な感情を抱いた理由は?
マスコミが「譲位」という言葉に変えたのホント?
でも本の中では「生前退位」を使い続けたのはなぜ?
生前退位」という言葉が不敬だという意見を聞いたことがあるけど、この本ではよくわからなかった。

日本という国を知る

まぎれもなく現存する世界最古の王室。
神話から現在に至るまで途絶えることなく続き、鏡・剣・勾玉という三種の神器を継承する…なんて中二心をくすぐるシステム!
東京五輪もいいけど、来年の即位の礼を見に来日する人も多いかも??

何でもかんでも日本すごい!となることはないけど、自分の生まれた国の象徴や成り立ちについての知識くらい身に着けておきたい。


今回は、自分のための読書でした。


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